メッセージ

令和4年度 全校集会(11月)

社会人基礎力

 2学期も半分以上が終わりましたが,希望する進路の実現に向けた取組は進んでいますか。生徒の皆さんは,板野高校卒業後,または大学などの卒業後には何らかの職業に就くことになります。また,職場だけでなく,地域社会の一員としても多様な人々と関わっていくことになります。

 そこで,生徒の皆さんは,「社会人基礎力」という言葉を聞いたことがありますか。「社会人基礎力」とは,職場や地域社会で多様な人々と関わり合いながら,活躍し続けるために必要とされる基礎的な力といわれています。

 職場や地域社会で必要とされる「社会人基礎力」は,3つの能力と12の能力要素から構成されています。今日は,「社会人基礎力」の柱となる3つの能力について紹介します。

 1つめは,「前に踏み出す力(アクション)」です。これは,「一歩前に踏み出し,失敗しても粘り強く取り組む力」のことです。実社会では,正解が1つに定まっているというケースは少ないです。試行錯誤しながら,自ら行動していくことが必要となります。失敗しても,他者と協力しながら,粘り強く取り組む力を身につけることが大切です。

 2つめは,「考え抜く力(シンキング)」です。これは,「疑問を持ち,自ら深く考える力」のことです。物事を改善していくためには,常に問題意識を持ち,課題を発見することが必要となります。その上で,課題を解決するための方法やプロセスについて,十分納得いくまで考える自律的な思考力を身につけることが大切です。

 3つめは,「チームで働く力(チームワーク)」です。これは,「多様な人々とともに,目標に向けて協力する力」のことです。職場や地域社会などでは,仕事の専門化や細分化が進んでおり,組織として何かを成し遂げるためには,多様な人々との協働が必要となります。自分の意見を的確に伝え,意見や立場の異なるメンバーも尊重した上で,目標に向けてともに協力する力を身につけることが大切です。

 それでは,3つの能力を身につけるにはどうすればよいでしょうか。まずは,世の中の出来事を「自分事」として捉えてみましょう。次に,「自分事」として捉えた出来事の解決策を一生懸命考えてみましょう。しかし,解決策が思い浮かばないこともあります。また,他にもっとよい解決策があるかもしれません。その時こそ,解決に向けて様々な人の協力を得るのです。

 生徒の皆さんが,学校生活を通して「社会人基礎力」である3つの能力「アクション,シンキング,チームワーク」を身につけ,将来,社会で活躍する人材となることを期待しています。

徳島県立板野高等学校長 佐山 哲雄

令和4年度 2学期始業式

                    社会に出て成功する7つの条件
 
 今日から2学期が始まりました。1学期の終業式で「心をマネジメントすること」について話をしましたが,有意義な夏休みとすることができたでしょうか。悔いの残る夏休みだった人も,新たな気持ちで2学期をスタートさせてください。

 さて,社会では,様々な分野で活躍して成功している人が多くいます。以前,企業に長く勤めていた方から,社会に出て成功している人の条件について,話を聞いたことがあります。その方の話では,成功している人の条件は7つあるそうです。

1 ゆるぎない強い志(思い)を持っていること
  自分自身の中に,掲げた夢や目標を実現するという「強い思い」がなければ,夢や目標の実現に近づくことはできません。

2 夢や目標の実現に向かって努力を続けること
  大学に入りたいとか,技術者になりたいとか思うだけでなく,夢や目標の実現に向かって「毎日努力する」ことが必要です。

3 常に反省(振り返り)をすること
  取り組んだことがうまくいかなかったり,周囲の人に迷惑をかけたりしたときは,自分自身を「振り返る」ことが大切です。

4 変化や区切りをチャンスと考えること
  新学期や新年度になったときなどを「絶好のチャンス」と考えて生活を見直すことが,新たなスタートの第一歩になります。

5 相手の立場に立って行動すること
  自分と異なる考え方や意見を持つ人に対しても,耳を傾けて「一緒に考える」ことで,自分の考え方や視野が広がります。

6 感謝する気持ちを持っていること
  周囲の人が支えてくれていることへの「気づきと感謝の気持ち」が,自信につながり,毎日努力するエネルギーになります。

7 平凡なことをやり続けること
  周囲の人と関わる中で大切なことは,挨拶をする,約束を守る,遅刻をしないなど,当たり前のことを「続ける」ことです。

 社会に出て成功する条件といいましたが,この条件は学校においても大切なことです。また,社会に出て働き始めるといろいろな問題にぶつかりますが,問題を解決するには知恵が必要です。

 学校は社会に出るための準備の場です。今日から7つの条件を心掛けながら,幅広く知識を習得して知恵を出すことができるように学びを深めてください。そして,有意義な2学期となることを期待しています。

徳島県立板野高等学校長 佐山 哲雄 

令和4年度 1学期終業式

 心をマネジメントすること

 1学期が終了しますが,この機会に4月からの学校生活を振り返ってみてください。1学期の学校生活を振り返ると,これまでの成果と課題が見えてくると思います。成果と課題が見えてくると,夏休みを有意義な時間とすることができ,2学期からのスタートがスムーズになります。

 さて,3年生にとっては,進路選択もいよいよ大詰めになります。夏は雌雄を決する天王山ですから,就職する人も進学する人も,悔いのないように全力で頑張りましょう。夢の実現のためには,大志を抱き,果敢に挑戦することが必要です。そのために自分の将来をイメージし,具体的な行動計画を立てなければなりません。

 具体的な進学先,就職先,資格取得を考えたら,その目標のレベルと現在の自分がもっている力のギャップとを客観的に認識し,そのギャップを埋めるための努力をしなければなりません。この現状をしっかり把握し,目標とのギャップを埋めていくための行動を「マネジメント」といいます。

 「マネジメント」により,様々な行動をコントロールすることで,目標に対する考えや態度を変えたりモチベーション(やる気)を維持したりすることができ,行動様式を変えることもできます。そして,この「マネジメント」の原動力こそが,皆さんの「心」です。

 ですから,「現状をしっかり把握し,目標とのギャップを埋めていく」という基本を,皆さんの「心」の中に据えることが必要です。何ができていなくて,何ができるようになりたいのか,何が足りなくて,どこまで到達しなければならないのか,これらを「心」に訴えながら行動することが大切なのです。例えば,なりたい自分になるための言葉を声に出したり書き出したりすることも有効だと思います。

 40日に近い夏休み,この時間を生かすも殺すも皆さんの「心」次第です。勉強や資格取得に励む,部活動に頑張る,映画や芸術を堪能する,多くの本を読んで知識の獲得をする。皆さんはどんな夏休みを過ごすのでしょうか。この時間を有意義に使うか,無為に過ごしてしまうかでは,大げさに言えば,この先の皆さんの未来を大きく変えることになります。

 他人と過去は変えられませんが,「心をマネジメントすること」で,自分と未来は変えられます。つまり,これからの自分の選択次第で,未来の自分を変えることができるということです。大きく変化する社会では,「マネジメント能力を持った人材」が求められています。だらだら過ごす夏休みではなく,挑戦し続ける「チャレンジの夏」となるようにしてください。

徳島県立板野高等学校長 佐山 哲雄

令和4年度 全校集会(6月)

                   学ぶことの意義と続けることの大切さ
 
 学校というのは,教科等の学習,学校行事,部活動等の様々な活動を通して,多くのことを学ぶ場になります。学校では,多くのことを学ぶことができるように工夫を凝らしていますが,皆さんは「学ぶことの意義」は何だと思いますか。もちろん,自分の目標である進学や就職に向けて,様々な活動に取り組み,「学ぶ」ことを通して,進路を切り拓いていくというのも大きな理由だと思います。

 しかし,進学や就職という目標が達成できれば「学ぶ」必要はなくなるのでしょうか。進学や就職をすれば,新たな課題が生じることもあります。新たな課題となると,従来のやり方では解決できないかもしれません。やり方を工夫したり変えたりする必要が出てくるかもしれません。そのような時には,課題をこれまでとは違った視点から見ること(多面的な視点や広い視野)が必要になります。

 「学ぶことの意義」を表す言葉として,「学者如登山(学ぶ者山に登るが如し)」があります。この言葉には,学ぶことは山に登るのと同じように,決して容易ではないという意味があります。また,一歩一歩高い所に登るに従って,次第に視界が開け広々と見えるようになるのと同じように,学べば学ぶほど視野や見識が広がっていくという意味もあります。「学ぶ」ことは,努力と苦労を伴いますが,視野を広げる貴重な機会になると思います。

 また,一時的な学びでは,なかなか自分のものにはなりません。何事も基礎的・基本的なことを,繰り返し繰り返し取り組むことで,少しずつ定着していきます。自分が描いている夢と自分が置かれている現在の状況との間には,大きな隔たりがあることも少なからずあります。その隔たりを埋めていく唯一の手立てとしても,学びを定着させるための基礎基本の繰り返しが最も重要なポイントになります。

 「続けることの大切さ」を表す言葉として,「凡事徹底(ぼんじてってい)」があります。この言葉は,何でもないような当たり前のことを徹底的に行うことや,当たり前のことを他の追随を許さないほど極めることを示しています。つまり,普通のことを徹底してやり続けることが,最終的には非凡な成果をもたらすことを意味しています。「続ける」ことは,目標や夢の実現につながると思います。

 生徒の皆さんには,高校生の今だからこそ「学ぶことの意義と続けることの大切さ」について深く考えてもらいたいと思います。「学ぶ」ことで自分の見方や考え方を広げ,「続ける」ことで学んだことを自分のものとすることが,自分を大きく成長させることにつながります。学び続ける姿勢を大切にしてください。

徳島県立板野高等学校長 佐山 哲雄

令和4年度 全校集会(5月)

                        ワンイヤー,ワンインチ

 社会に様々な法律があるように,学校にも様々なルールがあります。学校では,学習面でのルールに加えて,頭髪・服装や遅刻等の生活面でのルールもあります。学校にルールがあるのはどうしてだと思いますか。集団生活を送る中で,ルールが必要であることを示している言葉が,「ワンイヤー,ワンインチ」です。

 「ワンイヤー,ワンインチ」というのは,「1年間に1インチ(1インチ=25.4ミリメートル)」という意味ですが,これは,イギリス海軍が軍艦の乗組員に対して与えている警句(短く巧みな表現で,真理を鋭くついた言葉)になります。

 軍艦には何千人という乗組員が勤務しています。軍艦が港に停泊するごとに,乗組員の一人一人が「これくらい」と思って私物を持ち込むと,その分重くなっていくので,軍艦は1年に1インチずつ沈んでいきます。私物が多く持ち込まれることによって,毎年1インチずつ沈むので,速力は落ちるし,正確な舵取りが出来なくなっていきます。

 その結果,いざ戦いとなった時,本来の力が発揮できず負けてしまいます。だから,個人としてどんなに持ち込みたいものがあっても,決められた重さ以上,持ち込むことを厳しく禁じているのです。

 このことは,集団生活を送る者にとって,個人としてどんなにしたいこと,反対にしたくないことであっても,集団の生命を守るために,ルールは厳しく守ることを求めているのです。

 もちろん,この例は,生命に関わる極端な例ですが,集団が力を発揮するには,その集団に所属する個人それぞれが自律していなければならないと思います。自律とは,自ら律すること,セルフ・コントロールすることです。

 しかし,その自律の基準が個人それぞれで違っていると,不公平が生じて協調性がなくなり,組織としての集団を維持することできなくなります。集団の秩序を保ち,集団としての目標に向かってまとまって進むには,自律の基準となるルールが必要であると思います。

 生徒の皆さんには,一人一人が板野高校の一員であることを自覚し,学校のルールを守り,責任ある行動を心がけることで,伝統ある板野高校を今後に引き継いでいってほしいと思います。

徳島県立板野高等学校長 佐山 哲雄