1. 令和4年度 全校集会(6月)

投稿日時: 2022/06/14 教員011

                   学ぶことの意義と続けることの大切さ
 
 学校というのは,教科等の学習,学校行事,部活動等の様々な活動を通して,多くのことを学ぶ場になります。学校では,多くのことを学ぶことができるように工夫を凝らしていますが,皆さんは「学ぶことの意義」は何だと思いますか。もちろん,自分の目標である進学や就職に向けて,様々な活動に取り組み,「学ぶ」ことを通して,進路を切り拓いていくというのも大きな理由だと思います。

 しかし,進学や就職という目標が達成できれば「学ぶ」必要はなくなるのでしょうか。進学や就職をすれば,新たな課題が生じることもあります。新たな課題となると,従来のやり方では解決できないかもしれません。やり方を工夫したり変えたりする必要が出てくるかもしれません。そのような時には,課題をこれまでとは違った視点から見ること(多面的な視点や広い視野)が必要になります。

 「学ぶことの意義」を表す言葉として,「学者如登山(学ぶ者山に登るが如し)」があります。この言葉には,学ぶことは山に登るのと同じように,決して容易ではないという意味があります。また,一歩一歩高い所に登るに従って,次第に視界が開け広々と見えるようになるのと同じように,学べば学ぶほど視野や見識が広がっていくという意味もあります。「学ぶ」ことは,努力と苦労を伴いますが,視野を広げる貴重な機会になると思います。

 また,一時的な学びでは,なかなか自分のものにはなりません。何事も基礎的・基本的なことを,繰り返し繰り返し取り組むことで,少しずつ定着していきます。自分が描いている夢と自分が置かれている現在の状況との間には,大きな隔たりがあることも少なからずあります。その隔たりを埋めていく唯一の手立てとしても,学びを定着させるための基礎基本の繰り返しが最も重要なポイントになります。

 「続けることの大切さ」を表す言葉として,「凡事徹底(ぼんじてってい)」があります。この言葉は,何でもないような当たり前のことを徹底的に行うことや,当たり前のことを他の追随を許さないほど極めることを示しています。つまり,普通のことを徹底してやり続けることが,最終的には非凡な成果をもたらすことを意味しています。「続ける」ことは,目標や夢の実現につながると思います。

 生徒の皆さんには,高校生の今だからこそ「学ぶことの意義と続けることの大切さ」について深く考えてもらいたいと思います。「学ぶ」ことで自分の見方や考え方を広げ,「続ける」ことで学んだことを自分のものとすることが,自分を大きく成長させることにつながります。学び続ける姿勢を大切にしてください。

徳島県立板野高等学校長 佐山 哲雄