あけましておめでとうございます。
2025年になりました。二学期の終業式で言ったように何か新年の抱負は考えましたか?
その目標に向かってこの1年、歩みを進めてもらいたいと思います。
さて、皆さんは競走馬(サラブレッド)を知っていますか。
速く走る馬を作るために父親と母親の血統の組み合わせをあれこれ人間が考え、作り出される馬です。
サラブレッドにムチを入れ続ければ死ぬまで走り続けることから「走る機械」と言われたりします。
そんなサラブレッドの「ある馬」の話をしたいと思います。
その馬は恵まれた血統で頭が良く期待されていたそうですが、何故か走らない。
何度走っても実力を出さない。というわけで1等賞が取れない試合が続いていました。
馬主にしてみれば勝てないサラブレッドは必要ない訳で、
そうなるとサラブレッドは正に機械のようにお払い箱となり、最後は、肉にされるんだそうです。
ある日、馬を育てている厩務員さんがその馬に別れのあいさつをしようと近づいていくと、
頭が良い馬ですから、厩務員さんのいつもと違う元気がない姿を見て、何かを察したんでしょうね。
肉にされると思ったかどうかはわかりませんが、外に出して走らせろと言わんばかりに暴れたんだそうです。
仕方なく、走らせてみたら見違えるような走りをし、
その後のレースで初めて勝ち、生涯27戦で4勝したとのことです。
サラブレッドは走る機械に例えられますが、何も考えずにただ走っているわけではありません。
当然、血が流れている生き物ですから、ただ走らされることに意味を見いだせなくなるんでしょうか?
虚しくなるんでしょうか?思いっきり走ろうと思わなければ速くは走れないのは当たり前ですよね。
この馬が走ってやるぞと強い覚悟を持って走ったからこそ、本当の力が発揮されたのだと思います。
この話から考えさせられることは「自分のために走るという覚悟が大事」だということです。
覚悟があれば変われるという話です。
日本人で初めてエベレストに登頂した登山家で探検家の植村直己さんも「山は自分のために登るものだと思う。」
と言っています。自分のために頑張るという覚悟があるからこそ植村さんは、
五大陸の最高峰を全て登頂した世界で初めての人になれたのだと思います。
第三学期の始業式に際し、皆さんには自分が頑張る分野と目標を決め、
覚悟を持って突き進んでほしいと願いまして年頭の挨拶といたします。
今年もあと10日足らずで終わろうとしています。みなさんどのような一年でしたか?
テレビでは大谷、ドジャース、大谷と連日のように大谷選手がニュースを賑わしていましたね。
そんな大谷選手が高校生の16歳の時にドラフトで8球団から1位指名されるために作った
目標達成シート(通称:曼荼羅チャート)を知っていますか。
「ドラフトで8球団から1位指名」されるという大きな目標を達成するために必要な8つの柱を考え、
その8つの柱それぞれを実現するためにしなくてはいけないこと、した方が良いと思われることを
それぞれに8つ書き出し、実行していくというものです。
8つの柱は「体づくり」「コントロール」「キレ」「スピード時速160km」「変化球」
「メンタル」「人間性」「運」と書かれていました。
その中の「人間性」のところで8つのしなくてはいけないこと、したほうが良いと思われることとして
「感性」「愛される人間」「計画性」「思いやり」「感謝」「礼儀」「信頼される人間」「継続力」を挙げていました。
また「運」のところでは「あいさつ」「ゴミ拾い」「部屋掃除」「道具を大切に」「審判さんへの態度」「プラス思考」
「応援される人間になる」「本を読む」を挙げていました。
大谷選手を見ていて頷ける行動があると思いませんか。
「挨拶」「礼儀」では、一打席目は必ず相手のベンチに一礼をしたり、
毎回バッターボックスに入る時には審判に挨拶をしたりしていました。
また「道具を大切に」では、フォアボールのときバットをそっと地面に置いている光景。
また、ホームランを浴びせた相手投手やホームラン数を競っている相手選手をけなしたり、挑発したりせず、
相手を気遣った「思いやり」を持った発言をしていました。
「プラス思考」では地区優勝シリーズでパドレスにもう1敗もできない状況に追い込まれた時に発した
「シンプルに2連勝すればいいゲーム」と言ってのけるあたりは、メンタルの強さというか、
プラス思考を感じる発言だったと思います。
そして、「ゴミ拾い」は、グラウンドに落ちているゴミを拾って後ろのポケットに入れる姿が
何度も善行として報道されていました。
そういった所作が切り取られ「大谷は素晴らしい」「地球に優しい男」などと褒め称えられ、
「人間性」が認められ、「愛される人間」「応援される人間」となっていったように思います。
16歳で立てた目標である「ドラフトで8球団から1位指名」は叶いませんでしたが、
目標を達成するために立てた決め事を今でも続けているところが「継続力」なんだと気づかされました。
そして優勝した時、MVPになった時にはチームメイトやファンへ「感謝」の言葉を添えていたあたりは、
16歳の時に作った目標達成シートに繋がるんだと感じさせられました。
10日もしないうちに新年を迎えます。新年を迎えた時に是非2025年の抱負を考えてみてください。
そしてそれを達成するために何をすべきかを考え実行する1年にしてもらいたいとお願いして
二学期終業式の訓話といたします。
今日は、みなさんがあまり知らない文化部やボランティア活動の頑張りについて紹介しようと思います。
現在、あわぎんホールを主会場として第43回徳島県高等学校総合文化祭が行われています。
11月3日に音楽部の演奏を聞きに行き、11月9日に写真、美術、書道の展示を見に行きました。
来週23日には本校演劇部の出演に合わせ演劇を見に行こうと思っています。
音楽部の公演では「新宝島」を演奏した時にノリが良い曲だからか、
どこからともなく手拍子が起きたことが嬉しかったです。
なぜなら、私が見てた約10校の演奏や合唱の中では、
板野高校だけ自然に手拍子が起き、だんだんと大きいものになっていったからです。
また展示は、生徒の作品だけでなく先生方の作品も展示され、
それぞれの作品から芸術家のパワーを感じることができ、ゆっくり見てたら1時間では回りきれないものでした。
この秋、板野高校生はボランティアでも頑張ってます。
10月12日金泉寺でのお接待と周辺の清掃活動を、初めて板野中学校の生徒と一緒に実施しました。
10月20日には徳島工業短期大学校の学園祭に音楽部と書道部が参加し、
パフォーマンスを見せ学園祭を盛り上げました。
10月26日は道の駅「いたの」でスタンプラリーやエシカルをテーマとした演劇、
エシカルかるたなどエシカルイベントを行いました。
今後も、通学路清掃や無人駅となった板野駅の清掃活動。
来る、11月17日に行われる「あさんウォーキングフェスタ」などのボランティア活動を行う予定だそうです。
地域のために地元の人と高校生が協働して作業を行うことは近隣住民の方から喜ばれ、認められ、
生徒側としては自己有用感が得られる素晴らしい取組となります。
また、10月に嬉しいことがありました。
10月4日に徳島文理大学から3人の先生が本校にお越しになった際の第一声が
「玄関前で男子生徒数名から大きな声で挨拶をされました。板野高校は良いですね。」とニコニコして言われました。また、10月11日に徳島県教育委員会から4人の先生が訪問してきた時には、
「女子生徒から元気な声で挨拶をしてもらいました。学校現場が懐かしくなりました。」
という感想をいただきました。
挨拶をした生徒は『お客さんだから挨拶をしよう』と条件反射的にしたのかもしれませんが、
挨拶された方は嬉しかったり、良い生徒に会えたと思い出深いものになったりします。
これらのお客さんに、板野高校が良い印象で受け止められたことが何より嬉しく感じられました。
板野高校のHPの左側にあるサイトバナー「学校紹介」の中に
「学校長からのメッセージ」というところがあります。
そこには始業式や全校集会で話した訓話の内容を載せているので、そこを見てもらえれば確認できますが、
5月の全校集会で私は「板野高校には元気に挨拶をする、掃除もよくする、おもしろく元気に話しかけてくる、
素敵な生徒たちがたくさんいます。
常日頃から全員がいつでも試験や面接が受けられる姿で、健康的で元気な挨拶をしてくれれば、
何かが変わると信じています。」と言っています。
みなさんの日々の頑張りが、もっともっと周囲から認められるようになればいいなぁと
感じた出来事を紹介させてもらい11月の訓話にかえさせていただきます。
あなたは夏休みどのように過ごしましたか。
この夏はパリ・オリンピックを見るため、夜遅くまでテレビを見ていたという人もいるのではないでしょうか。
日本を代表するアスリートは日頃の練習の成果を過度なプレッシャーの中で十分に発揮し、
45個のメダルを持ち帰ってくれました。
また、北部九州ではインターハイが行われたり、
甲子園で高校野球選手権大会が行われたりするなどコロナ禍前の形で
多くの競技があたりまえのように行われていることは、一高校関係者として嬉しいことでした。
高校野球選手権大会は京都国際高校の優勝で幕を下ろしたわけですが、
この大会に公立高校は12校出場していました。
中でもベスト8まで進んだ島根県代表の大社高校の活躍は、同じ公立高校として勇気をもらえるものでした。
3回戦ぐらいから地響きのような声による応援は、数年前の慶応高校を彷彿させるようなものでした。
徳島県とよく似た人口の島根県から出てきた125年の歴史を持つ伝統校である大社高校は、
118年の歴史を持つ板野高校と似てそうだなと勝手に親近感を持ち、
もし、板野高校が甲子園に出場したら、という想像も膨らましながら大社高校を応援していました。
そんな、この夏活躍したアスリートたちのインタビューを聞いていて感じたのは、「感謝」という言葉です。
甲子園の優勝校である京都国際高校の藤本主将は「応援してくれた方々にありがとうと感謝したい」。と述べ、
パリ・オリンピックで卓球女子団体銀メダルの張本美和選手は
「2人の先輩がいたから取れたメダル」。と早田選手、平野選手の存在に感謝し、
スケートボードで銀メダルの赤間凛音選手は「家族はもちろん、
今までサポートしてくださった方々に感謝」。と言っていました。
また、同じ競技で金メダルを取った吉沢恋選手は「追いかけてきた先輩たちのおかげ」。と先輩の存在に感謝し、
高飛び込み銀メダリストの玉井陸人選手は「お世話になった人への報告はメダルと僕の笑顔で」。と
直接感謝を伝えることを口にしていました。
これら中学生・高校生の傲ることのない謙虚な言葉に感動したことが昨日のことように思い出されます。
あなたはこの夏、誰に感謝しましたか。
補習で教えてくれる先生に。進路で悩み、アドバイスしてくれた友達に。
朝昼晩と食事を作ってくれる方に。家計のため仕事で夜遅く帰ってくる方に。
炎天下、舗道の草刈りをしてくれている方に。あなたを支えてくれる多くの方に。
あたりまえのように「ありがとう」という感謝の言葉を口にできる人であってほしいとお願いして、
2学期当初の挨拶に代えさせていただきます。
今月、新紙幣が登場しました。1万円札には渋沢栄一の肖像が載ることになりました。
彼は金融の父と呼ばれ、日本で初めて銀行を設立した実業家です。
彼が設立した企業は、先ほど言った日本で初めての銀行 第一国立銀行(現在のみずほ銀行)。
それ以外にも東京証券取引所、東京海上火災保険、東京ガス、東京電力、JR東日本、日本経済新聞社など
500社以上を設立したと言われています。
その渋沢栄一が言った言葉に「慣れることに慣れるな」という言葉があります。
これは精進し、一つ一つ積み重ねているようなことは良い結果につながるが、
ただ、だらだらとしているマンネリのような状態であれば悪い結果しか生まない。
「精進」していることか、「マンネリ化」していることか、注意して分ける必要があると言っています。
皆さんは1日1日が、「マンネリ化」していませんか。
授業中に知らないことを知ることは、刺激的で新鮮なことと感じている人は日々精進しているんだと思います。
皆さんは知らないことがたくさんあります。知らないことを知る喜びを授業などで感じてください。
6月4人の先生の授業を参観させてもらいました。
NS先生の化学の授業では、ダニエル電池とボルタ電池の実験をしていました。
正直、どっちがどっちだったか完全に忘れていましたが思い出させてくれました。
IY先生の世界史の授業では、漢委奴国王の金印の実物大のレプリカを見せてもらえたことで
金印の大きさや紐(ちゅう)というつまみの形状が蛇であることなど見て感じることがたくさんありました。
NA先生の国語の授業では安倍晴明に関する記述が「今昔物語集」だけでなく
「宇治拾遺物語」にもあるということを知らされました。
OT先生の「飲酒と健康」に関する授業では、ビール業者の取組について考えさせられ、
晩酌でビール缶をマジマジと観察するきっかけをくれるものとなりました。
私自身、知らないことだらけ、忘れてしまっていることだらけなんです。
皆さん、授業で学ぶことは毎時間違います。知らないことが散りばめられています。
また数学か…また英語か…ではないんです。授業を受ける気持ちがマンネリ化しないようにしてください。
渋沢栄一の「慣れることに慣れるな」を夏季休業を前にダラダラした夏にならないために
「発見」「学び」「知識」「気づき」があふれる40日にして欲しいと願っています。
第64回徳島県高等学校総合体育大会が終わりました。
期間中、教頭先生と手分けし、あちこちに観戦に行きました。
私は5月26日にサッカー、5月31日にバドミントン、バスケットボール、
6月1日にウエイトリフティング、6月2日に卓球、剣道と県内を西へ南へと走り回り、
皆さんの頑張っている姿を見に行くことができました。
スポーツに勉強に一生懸命頑張っている生徒を応援したくて
教員になったようなところもあるので、実に有意義な時間でした。
さて、3年生の多くは県総体・四国総体を一つの区切りとして、
次の自身の進路実現に向けて「志」や「夢」を掲げ邁進することでしょう。ここからが正念場です。
進学する人、就職する人に分かれますが、後悔しない人生のためにしっかり勉強をしていきましょう。
例えば、未来の自分のために応用力をつける学習をしたり、
取りこぼしたところが無いかを確認したり、基礎基本の復習をしたり、
大学や専門学校、企業の試験問題の傾向と対策を調べたり、何をすべきかを考え実行していってください。
1,2年生は自分の武器を作る事を考えてください。
そこで探究活動に真剣に取り組むことを勧めます。
近年、大学は高校でどのようなことを学んできたかに興味を持っています。
本校であれば、SDGsに関する探究活動について
どのようなことをし、考え、試行錯誤を繰り返したかをアピールしたり
プレゼンしたりできれば評価につながります。
その過程で大いに失敗しても構いません。失敗から学んだことを説明できるのであればそれも武器になります。
インターンシップでの経験やボランティア活動で学んだことは面接で語ることができます。
取得した資格。休みの日を利用して行われる
大学や専門家と連携した学びの場である課外活動を通して体験したこと。
部活動で収めた成績。学校を遅刻も欠席もしないという皆勤・精勤もプラスに働きます。
高校3年間でこのようなプラスを積み重ねることをしていきましょう。
5月25日、金泉寺を訪れるお遍路さん相手に本校生が「お接待」をしました。
どの学校もあまりしていないこのような取組に参加した、
クリエイティブ部、JRC部、音楽部、茶道部、生徒会そして有志のみなさんなども
ボランティアとはいえ素敵な活動をしたことに違いないので、
進学や就職での面接で是非このことをアピールしてください。
私が面接官ならこのような活動に参加した生徒に興味を持ちます。
家でゲームをしたり、おしゃれして買い物に行ったり、
ダラダラしていてもそこにはアピールできるモノもなければ、何の発見もありません。
学生の本分が勉強である以上、
アルバイトは進路面接では、あまり武器にはならないことも知っておいてください。
高校3年間で何をしたら自分の武器なるか、
人間としての徳になるかに気づいて行動できる人になってください。
前任校で「とくしまマラソン」「小松海岸の清掃活動」「蜂須賀家の墓石清掃」など
ボランティアを募ると100人以上の生徒が参加を希望します。
自分にもアピールできる武器が欲しいと考えている人がそれぐらいいるのです。
チャンスは転がっています。拾い集めるのはあなたです。時間の使い方を間違わないでください。
もう一度言います。「探究活動」「ボランティア活動」「部活動」「皆勤・精勤」「資格取得」
「課外活動」「プレゼンテーション能力」などが武器になります。
進学や就職で自分自身を売り込む材料になるのです。
当然「試験の成績が良い」ということは、確固とした武器です。
武装できる時間があるのであれば将来を見据え、多くの武器を身につけてくれることを期待しています。
こんにちは。令和6年度も1か月が過ぎました。
GWが終わり、もうすぐ中間考査を控えていますが、勉強してますか?
始業式で2,3年生には集団生活をする上で大切な「かきくけこ」
の話をしたのを覚えていますか?
「か」考えること。「き」気をつけること。気を配ること。
「く」くさらないこと。「け」健康であること。健康的で元気な挨拶ができること。
「こ」コンプライアンス。コンプライアンスとは法令を守ること。
ルールやきまり・校則を守ること。と言いました。
先月、何社か企業を訪問し、本年度の求人の情報収集と
本校生の就職をよろしくと就職課長の畠内先生とお願いして回りました。
そこで各社の人事担当者にどんな新入社員がほしいか?という質問を投げかけてきました。
答えはこうです。
(4つの企業の求める新入社員像について発表)
どの企業にも「かきくけこ」が入っているでしょう。
もうすぐ求人を持って、各企業の担当者が学校に来る時期となります。
大学の先生もたくさん来ます。「人は見た目が9割」というベストセラー本がありましたが、
みなさん制服を着崩していませんか?
ネクタイをしてますか?
スカートの下にジャージをはいていませんか?
シャツの裾が出ていませんか?
スカートを腰で巻き上げていませんか?
シャツのボタンを上まで閉めていますか?
試験の時だけ、服装頭髪検査の時だけなどというずるい考えは、
学校という教育していく空間では通用しません。
制服を着崩した板高生を見た人が、
板野高校を、他の板野高校生を、どういうイメージで捉えるかを考えてみてください。
マイナスのイメージしかないですよね。それが残念でなりません。
板野高校には元気に挨拶をする。掃除もよくする。おもしろく元気に話しかけてくる。
素敵な生徒たちがたくさんいます。
常日頃から全員がいつでも試験や面接が受けられる姿で、
健康的で元気な挨拶をしてくれれば、何かが変わると信じています。
入学式で1年生には「ヒンドゥー教の教え」について話をしました。
「心が変われば態度が変わる 態度が変われば行動が変わる
行動が変われば習慣が変わる 習慣が変われば人格が変わる
人格が変われば運命が変わる 運命が変われば人生が変わる」
心を変えるという些細なことが、いずれは人生まで変えてしまうと言っています。
心を変え、気持ちを変えて、できることからやっていきましょう。
大学が、企業が、是非板野高校の生徒を推薦して欲しいといってもらえるような、
周りから指示され、応援されるような学校にしていきましょう。
そのためには、私も頑張ります。
おはようございます。校長の野田耕市郎といいます。
漢字をよく間違われるので詳しく言いますと、野原の野。田んぼの田。耕は耕運機の耕。耕すという字です。
市は市場の市。郎は昔から男の子に使われる太郎とか次郎とかの郎で「おおざとつくり」の郎です。
続けると「野原を田んぼに耕して、そこで採れたお米なんかを市場に持って行く男」と
覚えてもらうと間違わないかな、と思います。
実は、板野高校は私の初任の学校であり、大好きな学校です。
28年前、初任3年目の冬に、もう一年残してほしいと当時の校長先生にお願いに行ったことが
昨日のように思い出されます。
もしかすると皆さんのお父さんやお母さんの中に私を知っている人がいるかも知れません。
さて、年度当初の挨拶ということで、みなさんに心がけてほしい5つのお願いがあります。
覚えやすいように頭文字を「かきくけこ」に合わせてきたので日々の生活の中で是非意識して生活してください。
「か」は、考えること。
勉強もそうですが、考えることは非常に大事なことです。
夕方のTV番組で「突破ファイル」という番組の中で、
窮地に追い込まれた主人公が自分自身に「考えろ、考えろ、考えろ」と言い聞かせるシーンがよく出てきます。
苦しいときこそ考える。これをしていいのかを考えてから動く。
効率よく物事を行うためにどうすればいいかを考える。全て大事なことです。
「き」は、気をつけること。気を配ること。
気をつけるは、交通事故に遭わないよう、事故や犯罪に巻き込まれないよう気をつけるです。
気を配るは、周りに元気のない人はいないか。困っている人はいないか。いるならどう声をかけるか。
思いやりを持って行動してくださいということです。
「く」は、くさらないこと。
人生うまくいかないことはあります。失敗もあります。
そこでくさっていては誰も見向きもしてくれません。
「笑う門には福きたる」という言葉がいうように気分を換え、ポジティブに考え、前向きに次の行動をしましょう。
「け」は、健康であること。健康的で元気な挨拶をすること。
先ほども挨拶をしましたが、これは皆さん全員がすることに意義があります。
お越しになったお客さんに、すれ違う生徒全員が挨拶をすれば、驚くでしょうし、面白いと思いませんか。
こうなれば、学校自体が変わります。
「こ」は、コンプライアンス。
法令を守るという意味ですが、校則などのきまりやルール・マナーを守ろうということです。
時間を守ること・約束を守ることや人を傷つけないことも広い意味でコンプライアンスかもしれません。
この「かきくけこ」は、社会に出ても使えるので心のどこかに留め置いててください。
残された高校生活。夢ややりたいことを「志」というなら、その「志」を掲げ、
「誠実・努力・前進」の校訓のもと、「誠実」に取り組み、「努力」を続け、
コツコツと「前進」していってください。
そうやって歩んでいる皆さんを先生方は応援してくれます。頑張っていきましょう。
伝えたかったこと
学年末として4月からの1年を振り返る節目となりました。1学期、2学期、そしてこの学年末までを終えましたが、学期ごとに、頑張ったこと、成長したこと、課題となったことなどを把握し、課題については改善してきましたか。
これまで、始業式や終業式、全校集会でいろいろな話をしてきましたが、この機会に改めて振り返りながら、皆さんに伝えたかったことについてまとめます。
1学期の始業式…「志(こころざし)」:成し遂げたいことを「志」として持ち、なりたい自分を毎日強く思い、そして必要な行動を続ける。
5月の全校集会…「聞く姿勢」:話している人に体を向けてきちんとした姿勢で聞くことは、礼儀の根本であり、そこに人の本質が現れる。
6月の全校集会…「失敗の価値」:失敗を単なる失敗と考えずに、失敗の価値に気づき、失敗を無駄にしないことこそが新たな一歩になる。
1学期の終業式…「読書の効果」:ボキャブラリー(語彙)を豊かにする読書は、コミュニケーション能力の向上とより深い学びにつながる。
2学期の始業式…「時を守り、場を清め、礼を正す」:職場や学校において人間関係や信頼関係を築くには、重要となる3つの行動がある。
11月の全校集会…「活躍している人」:活躍するには挑戦が必要であり、挑戦にはほんの少しの勇気とたゆまぬ努力への決意が必要である。
2学期の終業式…「目標の実現」:なりたい自分とできる自分の重なりを広げる努力の積み重ねが、実現の可能性を高めることにつながる。
3学期の始業式…「大人の条件」:大人になることは、当たり前のことが当たり前にできるようになり、内面的にも大人になることである。
皆さんは、高校または大学などを卒業した後、職場や地域社会で何らかの役割を担うことになります。そこで問われるのが、「社会で必要な資質や能力を身につけているか」「その資質や能力を伸ばすための努力をしてきたか」になります。
学校は、社会に出るための準備の場として、皆さんに夢や目標に向けて努力を続けることを求めています。また、板野高校の一員として協力して取り組むことも求めています。しかし、それが実践につながるかどうかは皆さんの気持ち次第です。
新年度からのより一層の活躍を期待しています。
徳島県立板野高等学校長 佐山 哲雄
大人の条件
1月というのは、新しい年を迎え1年間のスタートとなる時期になる一方で、学校生活の中では3学期というまとめの時期でもあります。新年の初めであると同時に年度のまとめにもなるので、ある意味1年間の中で最も大切な時期になると思います。皆さんには、一日一日を大切に過ごしてもらいたいと思います。
さて、昨日は成人の日でした。成人の日というのは、「大人になったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝い励ます」趣旨の国民の休日です。そして、皆さんも知っているように、民法が改正されて令和4年4月に成年年齢が満18歳に引き下げられました。3年生の多くの人が18歳になっていると思います。
そこで、「成人」と「大人」を国語辞典で調べると、「成人」とは「心身が発達して一人前になった人。成年に達した人。子どもが成長して大人になること。」となっており、「大人」とは「成長して一人前になった人。成人の年齢に達した人。思慮分別があり、社会的な責任を負える人。」となっています。
「成人」と「大人」には「一人前」や「成年年齢」という共通する意味もありますが、「大人」には「思慮分別」や「社会的な責任」という意味もあります。従って、「大人」とは「成年に達する」という外面的なことと「分別や責任」という内面的なことの両方が認められてなれるものと思います。
オランダの教育学者、マルティヌス・ヤン・ランゲフェルドは「大人」を次のように規定しています。
①自分自身の行為や失敗に対して責任ある態度がとれる。
②社会生活において仲間として責任を分かち合う態度がとれる。
③子どもや病人など弱者のための代理人として責任を負う態度がとれる。
簡単に言えば、自己責任の態度、社会の一員としての自覚、そして思いやりの態度が必要ということだと思います。だとすれば、内面的なことというのは人として当たり前のことばかりです。裏返せば、「大人」になるということは、当たり前のことが当たり前にできるようになることかもしれません。
18歳の誕生日を迎えれば大人として扱われる一方で、18歳の誕生日を迎えれば大人になれるという単純なものではないと思います。普段から誰かのために何ができるかを考えることも必要だと思います。皆さんが成年に達した時、大人としての態度をとることができることを期待しています。
徳島県立板野高等学校長 佐山 哲雄