メッセージ

令和4年度 1学期始業式

 板野高校の校是と校訓

 板野高校は,明治39年に開校し,今年で創立116年目を迎えます。これまで,「耕不尽」を校是とし,「誠実・努力・前進」の校訓のもと,人格の形成と豊かな人間性の涵養を教育の中心課題に据え,勉学,スポーツ,芸術・文化等の各分野で,積極的な取組を続けています。

 今年度,板野高校に赴任して,板野高校の校是である「耕不尽」と校訓である「誠実・努力・前進」について自分なりに考えてみました。

 校是とは,学校設立に対する思いや根本精神を,短い言葉であらわしたものです。「耕不尽」は,「耕せども尽きず」で「田畑は耕せば耕すほど,土地が肥えて作物も良く実るがその工程には終わりがない」という意味になります。

 つまり,勉学,スポーツ,芸術・文化等にも終わりはなく,やり続けることの大切さや不断の努力を惜しまない姿勢を示していると思います。夢中になれるものがあるというのは素敵なことです。生徒の皆さんの耕したいものは何ですか?見つかっていない場合は,今一度,自分を見つめ直してみましょう。

 校訓とは,学校が掲げている目標や指針で,生徒の皆さんと教職員が,同じ方向に向かって進んでいくことができるようにするためのものです。「誠実・努力・前進」は,様々な課題に対して「誠実」に向き合うことの大切さを示しており,さらに,新しい時代を切り拓き,激動の社会に立ち向かうために,常に「努力」し,挑戦し,「前進」していこうとする姿勢が必要であることを示していると思います。

 「誠実」は,「直面する課題を自分事として捉えて,その課題に立ち向かう」ことからはじまり,「努力」は,「やれない理由ではなく,やれること,やる方法を考える」ことからはじまり,「前進」は,「やれることを,まず一つやってみる」ことからはじまると思います。目標や夢を実現するために,普段から心掛けて実践してみましょう。

 AIやIoTといった技術が進展し,大きく変化するこれからの社会を生き抜くのに必要な力は,多様で複雑な課題に対して,「自ら考える力」と「他者と協働する力」と言われています。二つの力を身に付けるには,校是や校訓を忘れずに,勉学,スポーツ,芸術・文化等に積極的に取り組むことが大切です。

 生徒の皆さんにとって,有意義な高校生活となるよう,何事にもチャレンジをしてください。夢が実現できることを願っています。

徳島県立板野高等学校長 佐山 哲雄