メッセージ

令和4年度 全校集会(2月)

                        自律と自立

 先週は,生徒の皆さんにとって高校3年間の中でも思い出に残る学校行事がありました。1年生はインターンシップ,2年生は修学旅行を実施しました。インターンシップや修学旅行で多くのことを体験して学んだと思いますが,学んだことをこれからの学校生活に生かすようにしてください。

 また,本年度も残りわずかになりましたが,本年度を振り返ってみてどうですか。充実した日々を送ることができた人もいれば,ただ漠然と日々を過ごしてきたという人もいると思います。高校時代は人生の中でも大切な時期ですので,今日から新年度になるまでの時間を大切に過ごしてください。

 さて,学校は社会に出るための準備の場になります。そのため,学校は教科の内容だけでなく,「時間や期限を守る」「清掃や整理・整頓をする」「挨拶や返事をする」などの基本的な生活習慣についても学ぶ場になります。なぜなら,基本的な生活習慣は,良好な人間関係をつくる上でも大切なことだからです。

 そこで,今後,学校生活を送るにあたって,皆さんに意識してもらいたいことがあります。それは,「じりつ」という言葉です。「「じりつ」という言葉には,「自分を律する」と書く「自律」と「自分で立つ」と書く「自立」とがあります。読み方は同じですが,意味は異なります。

 「自分を律する」と書く「自律」は,他からの影響や制約を受けないで,自分で自分の行動を規制することを言います。「自律した生活を送る」とか「自律の精神を養う」というように使います。

 また,「自分で立つ」と書く「自立」は,他からの援助や管理を受けないで,自分の力だけで物事を行うことを言います。「経済的に自立する」とか「親元から自立する」というように使います。
 
 簡単にまとめると,「自分を律する」と書く「自律」というのは,「自分自身をコントロールする」ことを言い,「自分で立つ」と書く「自立」というのは,「経済的・社会的に独り立ちする」ことを言います。

 どちらの「じりつ」も社会人として必要なことだと思います。そして,自分自身をコントロールできないと,経済的・社会的に独り立ちするのも難しいと思います。学校というのは,この2つの「じりつ」を身につける場なのです。

 学校が社会に出るための準備の場であることを忘れずに,基本的な生活習慣の大切さを常に意識してください。そして,「自律」した生活を送ることで,「自立」できるようにしてください。

徳島県立板野高等学校長 佐山 哲雄