メッセージ

第1学期終業式 訓話「慣れることに慣れるな」

 今月、新紙幣が登場しました。1万円札には渋沢栄一の肖像が載ることになりました。
彼は金融の父と呼ばれ、日本で初めて銀行を設立した実業家です。
彼が設立した企業は、先ほど言った日本で初めての銀行 第一国立銀行(現在のみずほ銀行)。
それ以外にも東京証券取引所、東京海上火災保険、東京ガス、東京電力、JR東日本、日本経済新聞社など
500社以上を設立したと言われています。
 その渋沢栄一が言った言葉に「慣れることに慣れるな」という言葉があります。
これは精進し、一つ一つ積み重ねているようなことは良い結果につながるが、
ただ、だらだらとしているマンネリのような状態であれば悪い結果しか生まない。
「精進」していることか、「マンネリ化」していることか、注意して分ける必要があると言っています。
皆さんは1日1日が、「マンネリ化」していませんか。
授業中に知らないことを知ることは、刺激的で新鮮なことと感じている人は日々精進しているんだと思います。
皆さんは知らないことがたくさんあります。知らないことを知る喜びを授業などで感じてください。
 6月4人の先生の授業を参観させてもらいました。
NS先生の化学の授業では、ダニエル電池とボルタ電池の実験をしていました。
正直、どっちがどっちだったか完全に忘れていましたが思い出させてくれました。
IY先生の世界史の授業では、漢委奴国王の金印の実物大のレプリカを見せてもらえたことで
金印の大きさや紐(ちゅう)というつまみの形状が蛇であることなど見て感じることがたくさんありました。
NA先生の国語の授業では安倍晴明に関する記述が「今昔物語集」だけでなく
「宇治拾遺物語」にもあるということを知らされました。
OT先生の「飲酒と健康」に関する授業では、ビール業者の取組について考えさせられ、
晩酌でビール缶をマジマジと観察するきっかけをくれるものとなりました。
私自身、知らないことだらけ、忘れてしまっていることだらけなんです。
 皆さん、授業で学ぶことは毎時間違います。知らないことが散りばめられています。
また数学か…また英語か…ではないんです。授業を受ける気持ちがマンネリ化しないようにしてください。
 渋沢栄一の「慣れることに慣れるな」を夏季休業を前にダラダラした夏にならないために
「発見」「学び」「知識」「気づき」があふれる40日にして欲しいと願っています。