メッセージ

第二学期 始業式の訓話 「感謝」

 あなたは夏休みどのように過ごしましたか。
この夏はパリ・オリンピックを見るため、夜遅くまでテレビを見ていたという人もいるのではないでしょうか。
日本を代表するアスリートは日頃の練習の成果を過度なプレッシャーの中で十分に発揮し、
45個のメダルを持ち帰ってくれました。
また、北部九州ではインターハイが行われたり、
甲子園で高校野球選手権大会が行われたりするなどコロナ禍前の形で
多くの競技があたりまえのように行われていることは、一高校関係者として嬉しいことでした。
高校野球選手権大会は京都国際高校の優勝で幕を下ろしたわけですが、
この大会に公立高校は12校出場していました。
中でもベスト8まで進んだ島根県代表の大社高校の活躍は、同じ公立高校として勇気をもらえるものでした。
3回戦ぐらいから地響きのような声による応援は、数年前の慶応高校を彷彿させるようなものでした。
徳島県とよく似た人口の島根県から出てきた125年の歴史を持つ伝統校である大社高校は、
118年の歴史を持つ板野高校と似てそうだなと勝手に親近感を持ち、
もし、板野高校が甲子園に出場したら、という想像も膨らましながら大社高校を応援していました。

 そんな、この夏活躍したアスリートたちのインタビューを聞いていて感じたのは、「感謝」という言葉です。
甲子園の優勝校である京都国際高校の藤本主将は「応援してくれた方々にありがとうと感謝したい」。と述べ、
パリ・オリンピックで卓球女子団体銀メダルの張本美和選手は
「2人の先輩がいたから取れたメダル」。と早田選手、平野選手の存在に感謝し、
スケートボードで銀メダルの赤間凛音選手は「家族はもちろん、
今までサポートしてくださった方々に感謝」。と言っていました。
また、同じ競技で金メダルを取った吉沢恋選手は「追いかけてきた先輩たちのおかげ」。と先輩の存在に感謝し、
高飛び込み銀メダリストの玉井陸人選手は「お世話になった人への報告はメダルと僕の笑顔で」。と
直接感謝を伝えることを口にしていました。
これら中学生・高校生の傲ることのない謙虚な言葉に感動したことが昨日のことように思い出されます。

 あなたはこの夏、誰に感謝しましたか。
補習で教えてくれる先生に。進路で悩み、アドバイスしてくれた友達に。
朝昼晩と食事を作ってくれる方に。家計のため仕事で夜遅く帰ってくる方に。
炎天下、舗道の草刈りをしてくれている方に。あなたを支えてくれる多くの方に。
あたりまえのように「ありがとう」という感謝の言葉を口にできる人であってほしいとお願いして、
2学期当初の挨拶に代えさせていただきます。