メッセージ

6月の訓話 「今年の県総体」

2025年6月5日 17時16分

 徳島県総合体育大会が終わりました。今年も各会場に足を運び板野高校生の活躍を見て回りました。
5月24日は男子バスケットボール、バドミントン。
翌25日はサッカー。30日は女子バレー。31日はウエイトリフティング。
6月1日は剣道、柔道、卓球と観戦に行くことができました。
重なった際は、教頭先生と手分けし県内を走り回りました。

 その中で感動した2つの競技を紹介したいと思います。1つめは女子剣道です。
女子剣道と言えば富岡東高校が強いわけですが、
個人戦でその富岡東高校の生徒と本校生の対戦がありました。
本校生は3年とはいえ高校から始めたこともあり、公式戦未勝利の生徒。
相手は1年生ながら中学生の時、全中出場経験がある相手との戦いとなりました。
本校生は大会前に足の肉離れという怪我をしていることを聞いていたので、
気力で頑張っていたのだと思います。
白熱の戦いは試合時間4分では決着がつかず、延長戦となり、
先に一本とった方が勝ちという状況で、
相手が面を打ちに来たその瞬間、「返し胴」で鮮やかな一本勝ちを収めたのでした。
「返し胴」は見栄えも良く、かっこいい技ゆえ
観戦している人から「おーっ」と感嘆の声が漏れたのが心地よかったです。
残念ながら3回戦で準優勝した選手にこれまた延長戦の末、負けてしまったようですが、
高校から部活動を始めても結果が残せるという例だったと思います。

 2つめは、バドミントン男子団体です。
2回戦で第3シードの徳島市立高校に3-0で勝った直後で、
この後、四国大会出場をかけて徳島北高校と戦うという絶妙のタイミングで会場に着きました。
観客席の応援は圧倒的に徳島北高校が多い中、
本校の部員や保護者も負けまいと声援を送っていました。
2ゲーム先取で先に3勝すると勝ちとなる試合で、
目の前で第1ダブルスと第2ダブルスの試合が始まり、
少し遅れて第1シングルスの試合が始まりました。
どの試合も好ゲームでした。
第2ダブルスが2-0で勝ち、第1ダブルスが2-1で激戦を制し、
第1シングルスが勝てば四国大会というところまできました。
第1シングルスも1-1となった最終ゲーム。
勝利の女神は意地悪で、3点くらいリードしていたと思えば、
逆転されるというシーソーゲームが繰り広げられていました。
終盤に入り、4点リードされていたと思います。
14-18か?15-19か?という、あと2,3点とられたら負けるという状況から
第1シングルスの2年生が驚異の粘りを見せてくれました。
20-20に追いつき、デュースの末22-20で逆転勝ちしたのです。
勝った瞬間、精根尽きた2年生は倒れ込み、
そこに3年生が駆け寄り、抱き合い、喜びを分かち合っていました。
四国大会出場を決めた喜びが溢れた光景が目の前にありました。
スタンドで応援している保護者や女子部員の中には涙する者もいました。
感動的で素晴らしい瞬間を目の当たりにすることができ、こちらまで胸が熱くなりました。

 どんな競技も見ていて楽しいことを知っています。
それは頑張っているのがみんなだからです。
壮行会で「相手も同じ高校生。何が起きても不思議ではない」と言いましたが、
高校生の秘めたパワーは時に驚きの結果をもたらしてくれることがあります。
そういった姿を見ることができるのも高校教師の魅力なのかも知れません。
改めて部活動って素晴らしいと感じた今年の県総体でした。

 今、部活動をしていない生徒諸君!是非部活動をやってみませんか。
まだ経験したことがない感動が待っているかも知れませんよ。